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社長のつぶやき

第15号 2005年2月1日

年があけてからロングビーチでのジャズのコンヴェンション(インターナショナル・アソシエーション・フォー・ジャズ・エデュケイター、略して”IAJE”)、そして、例年通りのカンヌでのMIDEMと、1月は東京にいたのは数日、といった感じでした。IAJEは初めての参加でしたが、文字通り、ジャズに携わる人達の集まりで、どちらかと言うと、アーティスト寄りの催しのようで、若い人を対象としたプロのミュージシャンによる数多くのクリニックがあったり、楽器のフェアがあったり、そして、ジャズを普及させていくための方法論に関してのパネル・ディスカッションがあったりと盛り沢山の内容でした。こういった事を行うときについてまわる裏話は多々あるのでしょうが、ジャズという音楽文化を大切に育てていこう、守っていこう(決して保守的な意味だけではなく)、という人々の「意欲」を強く感じるものでした。これは間違いなく素晴らしい事だと思います。一人の力が限られたものであるならば、やはり、力を合せて何事かを成就していくことはとても大切な行為に思えます。勿論、烏合の衆、になったり、変に徒党を組むことがあってはならないと思いますが・・・・。

MIDEMを含め、こういう催しに長い間参加しているといろいろな人から日本での販売について聞かれたり、頼まれたりすることが多くなります。勿論、これは有難い事で、自分がこれまでやって来たことを評価してくれての事であったり、一緒に仕事をして来た人達が推薦してくれての結果だったり、といろいろな経緯での話しではあります。それでも、内容はいろいろあって、とんでもない輩であったりすることもなくはないのですが、大半は真摯に音楽を創っている人達で何とかそれを世界のより多くの人達に聞いて欲しいと思っているわけです。本当に心を打たれる音楽であったり、姿勢であったりするのですが、残念なことは、私の能力と時間には所詮限りがあって、なかなか期待に応えられない事が多い。こういう仕事の成功、失敗の分れ目はその音楽に、あるいは、人にどれだけ惚れ込んだか、という事にあるのではないかと考えています。惚れ込めば、その音楽なりアーティストなりを伝える言葉の熱は圧倒的なものになり、それが人を説得する大きな要因になる。そういったサイクルではないかと思います。その持論から言えば、責任を持って自分が出来るものは、やはり、限られたものでしかないように思えるのです。

そんな事を考えながら、ふと、自分がそういう入り口になっているのだとしたら、それを紹介する事でその方とこちら側で誰か熱意のある人とを結びつける事で何かを起こす事が出来るかも知れない、とも思い始めています。インターネットのような通信手段が普及していることもあって情報はかなり行き渡っているのですが、肝心のコミュニケーション(意思の疎通)が十分でないように思えてなりません。日本市場への参入で不愉快な思いを、あるいは、こんな筈ではなかったのに、と思っている人達の話しを聞くと、その大半はコミュニケーションが不十分であった事が引き起こした結果と思える事例が多いように感じます。誰も知らない音楽を紹介するのですから、制作者の意図を伝えたり、アーティストを正しく紹介したりする、音を聴かせる事以外での活動に必要なコミュニケーションが不足していては結果は言うまでもないものになるでしょう。偉そうに言っている私自信もそれほどのコミュニケーション能力を持っているかどうか定かではありませんが、その必要性は理解しているつもりです。今回でもそういう機会を待っているいくつかの素晴らしいレーベルを運営している人達に会いました。改めて紹介の場を持ちたいと思っています。最後に宣伝をひとつ。今回のMIDEMで自分が多少とも制作に関わったキース・ジャレットのドキュメンタリーが完成して試写会を行いました。昨年の暮れにイギリスのチャンネル4で一度放送されたのですが、世界へのお披露目、というわけです。沢山の方々から賞賛の言葉をいただきました。すぐにこの企画に賛同しファイナンスをしていただいたチャンネル4、ARTEの方々には感謝、感謝、です。近々、日本でも放送、更には、DVDでの発売を予定しています。乞うご期待です。

海老根久夫

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