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社長のつぶやき

第14号 2004年7月8日

仕事の性格上、海外に出張する事が多いのですが、先月はニューヨークをはじめとした数都市を廻って来ました。仕事とは言ってもビジネスの話が終われば自然と話はいろいろな話題に移っていくわけで、今であれば、秋の大統領選挙の話であったりイラク関連の話だったりします。そういった話題には日米関係も色濃く影響しているので、時に、日本の政治状況についての質問もされたりもします。大体において、こちらの人は政治的なテーマについて積極的に話をするように感じます。そして、実に自由かつ率直に自分達の意見を述べます。当然、お互いに違う意見の応酬になったりもするのですが、意見の違いは違いとして、お互いの立場を尊重しての議論がなされるところに、この国の「健全さ」を感じたりもします。そんな時に、フッと感じる事は、こうして他の国の人たちとお付き合いををする、という事は、自分に「民間大使」のような役割もあるんだな、という事。別に偉ぶって言うわけではなく、自戒の念も含めてそう思うのです。その為には、いろいろな事についての知識と自分の意見というものを持っていないと、真のコミュニケーションが成立しないし、真の意味で、彼らには受け入れてもらえないな、と思います。

今回の出張中、昔から親しくさせていただいているアメリカ人ご夫妻のお宅に一日、お世話になりました。場所はロード・アイランド州のプロヴィデンス。ボストンにも程近く、かつてはジャズ・フェスティバルで有名であったニューポートも車で数十分の距離にあります。夜は微かに聞こえる大西洋の波の音以外、何も聞こえませんし、朝は本当に鳥の声で目覚めさせられる、といった自然に恵まれた地域です。泊まった晩、隣に住む(と言っても車がないと、といった距離なのですが・・・)若夫婦のお子さん達(12歳の男の子と8歳の女の子)が「日本人が泊まりに来ているらしい」というのを聞きつけて遊びに来ました。就寝前の小1時間を日本語のレッスン(?)で過したわけですが、こういった時に、先に述べた「民間大使」としての役割を感じてしまいます。彼らにとっては初めての日本人との会話でしょうし、恐らく、日本の第一印象を私を通じて持つのでしょう。これだけ通信手段が発達した時代ですから、これですべて、という訳ではないでしょうが、昔、私が航空機のトラブルでモスクワ(まだ、ソ連というものが存在したころです)の軍用空港に着陸して、どこか訳の判らないところに泊められた時に味わった極めて不愉快な印象が、以降のソ連に対する印象に付き纏ってしまった事からも第一印象の持つ意味は小さくないものと推測されます。さて、二人の子供たちがどんな印象を持ったかは知る由もありませんが、願わくば、良きものであった事を願わずにはいられません。

海老根久夫

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